相続税

2017年7月27日 木曜日

【相続税個別論点】「歩道状空地」の評価につきまして

1. 私道に係る従来の税務実務における取扱い

 相続税や贈与税における土地の評価に際しまして、土地が財産評価基本通達24の「私道」として認められた場合は、当該土地が不特定多数の者の通行の用に供されているときは評価額をゼロに、それ以外のときは本来の土地の評価額の30%相当の評価額にすることができるとされています。
 この財産評価基本通達24の税務実務における運用におきまして、建築基準法等の法令によってによって建築制限や私道の変更等の制限などの制約が課されている場合は財産評価基本通達24の「私道」評価を適用する一方で、都市計画法所定の開発行為の許可を受けるために行政指導によって私道の用に供されるに至った土地は建物の敷地の一部として評価している事例が見られました。


2. 「歩道状空地」の評価に係る最高裁判決及び国税庁の対応

 私道の用に供されている供されている「歩道状空地」の評価につき、最高裁判所平成29年2月28日判決では、土地の評価減が認められるか否かに関しては、建築基準法等の法令の制約の有無だけを判断基準とするのではなく、土地の置かれた状況を総合的に判断して判断すべき旨を示しました。
 この最高裁判決を受け、国税庁から「歩道状空地」が財産評価基本通達24の「私道」として認められるための要件が新たに示されました。


3. 「歩道状空地」が財産評価基本通達24の「私道」として認められるための要件

 国税庁は、以下の3つの要件が充足された場合に、「歩道状空地」が財産評価基本通達24の「私道」として認められるとしています。

  ①都市計画法所定の開発行為の許可を受けるために、地方公共団体の指導要綱等を踏まえた行政指導によって整備されている。
  ②道路に沿って、歩道としてインターロッキングなどの舗装が施されたものである。
  ③居住者等以外の第三者による自由な通行の用に供されている。



4. 相続税等の更正の請求につきまして

 この取扱いは過去に遡って適用されます。
 従いまして、過年度の相続税や贈与税の申告におきまして、「歩道状空地」を建物の敷地として過大に評価されていた場合は、更正の請求を行うことにより、納め過ぎた税金の還付を受けることができます。
 但し、法定申告期限等から相続税の場合は5年、贈与税の場合は6年経過しているものに関しましては更正の請求はできませんのでご注意下さい。


【国税庁HP】財産評価基本通達24((私道の用に供されている宅地の評価))における「歩道状空地」の用に供されている宅地の取扱いについて
https://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h29/takuchi/index.htm

投稿者 税理士法人T&Aコンサルティング

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