活動ブログ

2012年12月25日 火曜日

法人税・所得税 修繕費と資本的支出

1 修繕費と資本的支出

 固定資産の修理や改良を行った場合には、二通りの処理があります。

 ・一度資産計上した後に徐々に費用化する、資本的支出。
 ・全額をその期の費用にする、修繕費。

 同じ工事内容であっても、目的が異なれば判定結果が変わってきます。具体的な判断が極めて難しいことが多く、修正申告の原因になりやすいので、慎重な判断が求められます。


2 金額・周期判定

 修繕費と資本的支出は、フローチャート化することが出来ます。上から順番に流して判定していくイメージで。(以下条文番号は全て、法人税法基本通達です。所得税での判定も全く同じになります)

 最初の判定は、金額又は周期です。

7-8-3(1)
一の修理、改良等のために要した費用の額が20万円に満たない場合
7-8-3(2)
修理、改良等がおおむね3年以内の期間を周期として行われることが明らかである場合

20万円未満、3年以内周期どちらかに該当すれば、それは修繕費として損金算入可能です。


3 例示判定

 二番目の判定は、例示判定です。通達にこれに該当すれば資本的支出だ、というものが少数ですが列挙されております。

7-8-1(1)
建物の避難階段の取付等物理的に付加した部分に係る費用の額
7-8-1(2)
用途変更のための模様替え等改造又は改装に直接要した費用の額
7-8-1(3)
機械の部分品を特に品質又は性能の高いものに取り替えた場合のその取替えに要した費用の額のうち通常の取替えの場合にその取替えに要すると認められる費用の額を超える部分の金額

 物理的に新しく取り付けたり、使用用途の変更をしたり、高性能の部品を取り付けたりすると、資本的支出になります。

 ちなみに7-8-2は修繕費の例示になるのですが。地盤沈下した土地を元の状態に直すための費用など、いささかマニアックなので割愛します。維持管理のためや、原状回復費用修繕費です。


4 形式基準判定

 三番目の判定は形式基準による判定です。必ず、二番目の判定が先に行われるのが条件です。

7-8-4(1)(2)
その金額が60万円に満たない場合
その金額がその修理、改良等に係る固定資産の前期末における取得価額のおおむね10%相当額以下である場合

 二回目の金額判定ですが、60万円未満又は固定資産の取得価額の10%以下の場合、修繕費として損金算入可能です。
 固定資産の取得価額は、前期末の簿価ではないので注意が必要です。このような書き方になっているのは、過去に資本的支出を行い、再度当期に判定を行う場合のためです。


5 特例

 それでもまだ不明の場合、継続適用を条件とし、その金額の30%を修繕費、70%を資本的支出とすることが出来ます。


6 最後に

 先にも書きましたが、修繕費と資本的支出は大変難しいポイントになります。出来れば、弊社を含めた税理士事務所にご相談下さい。書店に行けば、修繕費と資本的支出に関する分厚い本が山ほど並んでいます。判例も数多く出ております。

 また、重ねて書きますが、判定の順番は金額周期→例示→形式→30%修繕費です。基本通達の番号順に判定していくと落とし穴にかかります(一応、条文を隅から隅まで読めば、括弧内で判断は出来ます)。

投稿者 税理士法人T&Aコンサルティング